一般的な紹介
私たちはみな、街の上にかかるスモッグの雲を見たことがあり、汚染は人々の健康を害し、環境に悪影響を与えることを認識しています。 この目にみえるスモッグは、貴社工場からの大気排出の結果の一つです。しかし、産業工程やオペレーションは目に見えない他の汚染物質も大気に排出し、人々の健康に害を及ぼし、気候変動の原因の一つとなります。
大気排出の原因には一般的に下記に挙げるものがあります。
- 工場のオペレーション:ボイラー、ジェネレーター、冷却システム(一般的に、粉塵/粒子状物質(PM10、PM2.5))、様々な窒素酸化物(「NOx」)、様々な硫黄酸化物(「SOx」)、様々なオゾン破壊物質(「ODS」)やその他の有害な大気汚染物質。
- 製造プロセス:製造ラインの設備や製造プロセス(一般的に揮発性有機化合物(「VOCs」)、オゾン破壊物質(「ODS」)、粉塵/粒子状物質(PM10、PM2.5)や他の有害汚染物質)。
注意: 貴社工場施設内にある大気排出を伴うオペレーションや工程を下記から選択するように求められます。 そういった選択により、貴社の工場に最も適した質問に導かれます。 オペレーションや製造過程で大気排出をする工場がない場合は、本セクションを完了する必要はありません。
下記がHigg大気排出セクションの要件です。
- 該当する場合、工場のオペレーションと冷却(冷凍、冷蔵、冷房など)から発生する大気排出量を追跡する。
- 注意:工場施設内で冷媒を使用している場合、どの冷媒を使用しているか具体的に述べるように求められます。 この冷媒は、貴社のGHG排出を算出する要素となります。時間を気にせず正確に冷媒の追跡を報告するようにしてください。
- 該当する場合、製造工程からの排出量を追跡。
- オペレーションや冷却(冷凍、冷蔵、冷房など)による大気排出の制御装置や除去プロセス、監視の頻度をリストにする。
- 製造からの大気排出の制御装置や除去プロセス、監視の頻度をリストにする。
- 窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)粒子状物質(PM)について、優れたパフォーマンスを達成していれば、それについて明確に述べる。
- 貴社工場に、大気排出改善するための時代遅れではない現代式の設備プロセスがあるかどうかを述べる。
大気排出序文
大気排出の原因は一般的に下記に挙げるものがあります。- 貴社の製造工程:製造ライン設備や製造工程
- 貴社工場のオペレーション:ボイラー、ジェネレーターや冷却(冷凍、冷蔵、冷房などの)システム。
排出の種類には、下記に挙げるものがあります。
- 点源排出 – 何らかの方法で制御され、排気筒などの単一の排出源から大気中に放出される空気の流れ。 これらの排出物は、ボイラーからの排出物などの施設関連、または揮発性化学物質使用のための排気システムなどの処理関連の場合があります。
- 非点源または大気漏洩 – Higg FEMでは、これらの大気排出源は、一般的な屋内または屋外環境に放出されるものです。 これらのタイプの排出は通常、スクリーン印刷、スポットクリーニング、染色などの処理に関連しています。
排出源のいずれかが、単一の工場で複数の排出点を持つ場合があります。 例えば、一つの工場に複数のボイラーやポイントソース(特定排出源)プロセス排出の排気筒(煙突)があるなど。
これらの活動により、下記の一般的な汚染物質が大気中に排出されます。
- 酸煙
- 粉塵/粒子状物質 (PM10、PM2.5) – 一般的に燃料の燃焼、紡績、化学繊維製造と関係しています。
- 様々な窒素酸化物 (「NOx」) – 一般的に燃料の燃焼と関係があります。
- 様々な硫黄酸化物 (「SOx」) – 一般的に燃料の燃焼と関係があります。
- 揮発性有機化合物(「VOC」) – 一般的に、生地の仕上げ、溶媒、接着剤、生地の捺染、テンターフレームと関係があります。
- オゾン破壊物質 (「ODS」) – 一般的に、冷媒中、繊維のスポットクリーナーの多く、一部の接着剤や溶剤中に含有しています。
- 有害または有毒な大気汚染物質 – 一般的に、燃料の燃焼、溶剤、接着剤や一部のアパレルの仕上げに関係しています。
- 紡績、サイジング(経糸糊付)、製織工程から出る、規制された綿塵排出
- 煙霧:塗装とプラスチック射出成形
特定の排出源(例:ボイラー操作、複数の生産ラインまたはプロセス)に対して、いくつかの排出または排出ポイントが存在する場合があります。 貴社工場の排出ポイントは、貴社工場が排出する大気汚染物質を制御する絶好の機会です。 下記が大気排出の最も一般的な排出ポイントです。
- 煙突や換気口(製造設備や台所などの寮サービス)
- 密閉していないタンク
- 埃の出る原材料の取り扱いや移動
- 溶媒の使用
大気排出を管理するには、エネルギー、水、廃棄物を管理するのとは異なる対策が必要です。 大気排出は、一定のレベルで規制されていますが、エネルギー、水、廃棄物は継続的に改善することができます。
貴社工場の大気に関する環境パフォーマンスは、貴社の設備に大幅に依存します。 貴社の設備が古い、またはメンテナンスがしっかり行われていない場合、貴社の大気排出リスクが高まります。 確実に大気排出を上手く管理する最善の方法は、現代的設備にアップグレードし、既存設備のメンテナンスと監視において厳格なプロセスを設けることです。
CFCやHCFC (オゾン破壊物質 ) を工場敷地内で使用している場合、段階的にこういったガスの使用を停止する解決策を検討する必要があります。 解決策の一つしては、冷媒、エアロゾル噴射剤、発泡剤に、HFO’sといったGWPが低い化学物質を使用することが挙げられます。 下記の冷媒のリストを参照してください。冷媒には参照番号が付けられています。貴社が使用する冷媒のうち、追跡して、段階的に使用を停止することが重要となる冷媒がどれかということを判断することができます。https://www.ashrae.org/standards-research–technology/standards–guidelines/standards-activities/ashrae-refrigerant-designations
Higgは、どのように貴社の改善をアシストするのでしょうか?
大気排出について何か対策を実行するには、貴社は下記の重要な項目を実行、導入しなければなりません。
- 地域ルールや、認可要件、いかに監視/実行プロセスが機能するのかということを把握し、そのルールや認可(Higg FEM 認可項目やEMSセクション)を遵守していることを証明するプロセスを導入する必要があります。
- 貴社工場の大気排出源を把握している必要があります。(Higg FEM 適用性テスト)
- 貴社工場が排出する大気汚染物質を追跡する必要があります。(Higg FEM レベル1)
- 貴社は、制御装置を設置するか、現代的な設備(現代的なボイラーなど)へとアップグレードし、確実に遵守要件、スタンダードを遵守し、さらに超える必要があります。(Higg FEM レベル1)
多くの場合、大気への排出は特定の技術や機械に左右されます。 したがって、機器の保守とアップグレードが重要となっています。 どの技術がどの排出削減に関連しているかということを貴社に示す基準はまだありません。しかしHigg FEM の質問に回答すれば、貴社の排出管理において最も直接的な対策を取るための準備ができます。 設備メンテナンスの方法を把握することは、訓練を受けた工場敷地内技術専門家に最も適した仕事です。
削減技術には次のようなものがあります。
- 吸収
- 活性炭素フィルター
- サイクロン
- ダストバッグ・フィルター
- 電気集じん器
- 集塵器
- 選択的触媒反応
- 選択的非触媒反応
GHG排出は、エネルギー使用や燃料の消費だけに限りません。製造工程に排出の原因がある場合もあります。 工場環境モジュールの大気セクションでは、GHG排出のうち燃料の燃焼と関係のないものを測定します。 貴社工場が、GHGガスをHFCといった非燃焼源から排出している場合、(例、冷媒の漏れ、エアロゾル噴射剤内のHFや発泡剤の拡散)また、製造排出の制御装置からも排出している場合、Higgインデックスを使用して、GHGフットプリントの一部としてGHG排出を算出することができます。
Higg FEM での大気排出の追跡および報告
大気排出データを経時的に正確に追跡し、報告することで工場およびステークホルダーに改善をする機会に関する詳細な洞察を提供することになります。 データが正確性を欠くと、工場の排出への理解および環境への影響を削減し、効率を高める能力に限界を課してしまいます。
大気排出量の追跡および報告プログラムを作成する際には、次の原則を適用する必要があります。
- 完全性 – 追跡および報告プログラムには、関連する発生源(FEMにリストアップされているもの)をすべて含めます。
- 正確性 – 大気排出追跡プログラムに入力されたデータが正確であり、信頼できる情報源(例:確立された科学的測定原理または工学的推定に基づく排出試験または継続的監視システム)から得られていることを確認します。
- 一貫性 – 時間の経過に伴う排出量の比較ができる、大気排出を追跡するための一貫した方法を使用します。 追跡方法、排出源、その他大気排出データに影響を与えるオペレーションに変更がある場合は、その旨を文書化する必要があります。
- 透明性 – すべての情報源(試験報告書など)、使用する仮定(推算方法など)、計算手法は、データインベントリで開示し、記載された記録および裏付ける証拠によって確実に検証できるものでなければなりません。
- データ品質管理 – 品質保証活動(内部または外部)は、大気排出データ、およびデータの収集と追跡に使用されるプロセスに対して定義および実行し、報告されたデータが正確であることを保証する必要があります。
上記の原則は、「温室効果ガスプロトコル第1章:GHG排出量の算定及び報告の原則」に基づいています。
適用性テスト
大気排出セクションの質問を完了する必要があるかどうかを判断するためには、貴社工場に大気排出源があるかどうかを評価する必要があります。 大気排出の原因は、原材料処理設備またはオペレーション中に蒸気を発生させるボイラー、あるいはその両方である可能性があります。
まず最初に、貴社工場に存在するオペレーションまたはプロセスを選択するように求められます。 この選択を行うことで、貴社工場に最もあてはまるHiggの質問に進むことができます。
- 大気排出を伴うオペレーションがある場合(例、ボイラー)、全てのレベルでオペレーション排出についての質問に回答する必要があります。
- 大気排出を伴う製造工程(例、溶剤や接着剤)がある場合、レベル1の製造排出についての質問に回答する必要があります。
- 大気排出を伴うオペレーションや製造工程がない場合、このセクションを記入する必要はありません。
1. 貴社工場には、以下の設備が設置されていますか?
- ボイラー
- 選択した場合、サイズを述べてください:
- 小:50MW未満
- 中:50MW – 300MW
- 大: 300MW以上
- 発電機
- 燃焼エンジン(内燃式ポンプ)
- 工業用オーブン(加熱/乾燥/キュアリング用)
- 燃焼加熱(炉)および換気
- 冷媒を含む装置(空調システム以外)
- エアコン(クーラー)
- その他、工場オペレーションからの既知の大気排出源
- 揮発性有機化合物(VOC)のその他排出源
- 選択した場合、サイズを述べてください:
2. 貴社工場は下記のいずれかの工程を行っているか、下記のいずれかの物質を使用していますか?
- 紡績や合成繊維の製造
- 仕上げ(染色後に行い、製品の外観、機能、または感触に影響を与える機械処理または化学処理)
- 溶媒
- 接着剤/セメント
- 印刷・捺染
- 染色
- テンターフレームあるいは他の加熱工程
- スポットクリーナー(*スポットクリーナーは、衣類、ベッドカバー、靴などの最終製品から汚れたスポットを除去するために使用される化学物質です。 多くの場合、スポットクリーナーには、アセトンベースの化学物質が使われます。 スポットクリーニングは、生産工程中にライン上で行われる場合もあれば、工場にスポットクリーニング専用の部屋がある場合もあります。
- 散布された化学物質あるいはプリント
- オゾン破壊物質(ODS)のその他排出源
3. 貴社工場は大気排出を監視していますか?
大気排出- レベル1
質問
工場オペレーションに関連する大気排出のすべての待機排出源を選択してください。
すべての大気排出についてデータを入力してください。 同一の排出源に関連する汚染物資すべてを選択してください。 この質問は、製造工程からの排出を除外します。
- 排出源
- この排出源からの排出はありますか?
- この排出源からの排出を追跡していますか?
- この排出源につながっているのはどのような設備ですか?
- この排出源からはどの汚染物質が見つかりましたか?
- その汚染物質は、政府機関によって規制されていますか?
- 汚染物質が許可によって規制されている場合、許可を遵守していますか?
- 貴社工場に許可違反がある場合、検出された物質に対する行動計画を更新してください
- コピーのアップロードが不可能である場合は、こちらに行動計画を記載してください。
- 該当する場合は、排出テストレポートをアップロードします。
- 追加コメント
注意:将来のバージョンでは、Higg FEM は排出量データの詳細な追跡と報告を必要とし、以下の技術ガイダンスと検証要件が参照用に提供されます。
質問の意図
この質問は、施設に現場作業からの大気排出を報告してもらうことを意図しています。 この質問は、工場のオペレーションからの大気排出源全てのインベントリ作成を促すものです。
技術ガイダンス
大気排出量はさまざまな方法で測定および規制されています。以下はその要約です。 排出量が法令を遵守しているかどうかを評価するときは、以下の基準を考慮する必要があります。
大気環境基準:これらは品質ガイドラインであり、多くの場合、流域内の人間の健康に関連しています。 その好例は米国空気清浄度基準(U.S. National Ambient Air Quality Standard)(https://www.epa.gov/criteria-air-pollutants/naaqs-table)、中国の大気環境基準(Chinese Ambient Air Quality Standards(GB 3095-2012))、またはWHO 大気質指針(https://www.who.int/airpollution/guidelines/en/)です。 工場は、関連する環境品質ガイドラインに到達するか、それを超える汚染物質濃度をもたらす排出、または関連する環境大気品質ガイドラインの達成に重要な阻害要因をもたらす排出を行ってはなりません。 これは、ベースラインの大気質評価と大気拡散モデルを使用して、潜在的な地上レベル濃度を評価することにより、定性的または定量的な評価を通じて試算することによってのみ決定されます。 規制の評価(許可)に、地表濃度測定を利用している国もあります。
排出基準(濃度):大気汚染の制限は、濃度制限であることがあります(ppm、mg/m3など)。 規制当局は、全体の大気汚染の軽減目標に基づき、排出の濃度上限を設ける場合もあります。 例:自動車の場合、政府は排気ガスで測定される濃度制限を規制する場合があります。 小規模な燃焼施設(ボイラーなど)も同様です。そこでは、濃度で排出基準を設定しています(ガスボイラーは、排気筒で測定されるNOx濃度が320ppmまで、など)。 これらの小さな施設は、排気筒で測定された濃度に基づいて許可が与えられる場合もあります。 これらは量ではありませんが、特に流量がわかっている場合は、量の計算や推定に役立つ場合があります。
排出基準(量):大気汚染限度は、発生源からの実際の排出量によっても測定される場合があります。 工場全体からの年間排出量を制限する規制当局もありますが、規制またはその他の要件によって具体的に定義または特定された点源排出を適用する規制当局もあります。 量は、最終的に環境に影響を与える排出量の合計になります。
排出を監視することに対する規制の要件は、地域の規制要件により異なります。 管理プログラムを利用して作成した、排出や大気質のデータは、長期的な設備や工程からの排出を反映するものでなければなりません。 たとえば、データは、バッチプロセス製造や季節的な工程変動などの製造プロセスの経時的変動を考慮する必要があります。 変動が大きい工程からの排出は、より頻繁にサンプルを取るか、複合的な方法でサンプルを取る必要がある場合があります。 排出の測定頻度や期間は、連続的なものとしては燃焼プロセスの運転パラメータやインプット、さらに頻度が少ないもので毎月、四半期毎、毎年のスタックテストまで、様々です。 変動のある排出源からの年間排出量も、プロセスインプット(所謂、工程で使用された化学物質の量や種類など)に基づいた工学的な推算やモデリングにより判断する必要があります。
大気排出インベントリの作成
排出と排出源を追跡、管理するためには、工場は大気排出インベントリを有する必要があります。 工場のインベントリを作成するには、すべての補助的な活動と設備からの排出量を含める必要があります。 定期的に見直しを行い、インベントリが必ず最新状態であるようにしてください。 このインベントリには、許可によって規制されている排出源と、現在規制されていない排出源を含める必要があります。
下記の要素は、インベントリに含むべき項目例です。(出典: GSCP):
- 既知の汚染物質、あるいは存在している可能性の高い汚染物質
- 排出される各汚染物質の量
- 排出/排出ポイント
- 制御装置およびその動作パラメータ
- 検査・測定の頻度
- 法規制の遵守
インベントリ例はこちらからダウンロードすることができます。:https://www.sumerra.com/wp-content/uploads/Air-Emissions-Inventory.xlsx
エミッション試験(濃度):エミッション試験は、濃度によって規制される場合があります。これには、特定の試験場所で時間あたりに一定の排出量を下回る必要があります。 試験は典型的なオペレーション状況で実行する必要があり、非標準的な試験または計算は個別に検討します。 排出量を決定するために使用される試験方法や機器には、最小時間および/または試験要件の繰り返しがある可能性が高く、これらの統計的変動を考慮する必要があります。
エミッション試験は、継続的な監視、または典型的なオペレーション状況での個別のテストを通じて、計算による1年間のまたは標準的なオペレーションの外挿によって、排出量を計算するために使用できます。 排出量を決定するために使用される試験方法や機器には、最小時間および/または試験要件の繰り返しがある可能性が高く、これらの統計的変動を考慮する必要があります。
排出量の推定(量):排出源ごとに、関連する汚染物質ごとの量を計算する必要があります。 工場は、利用可能な排出量の試算方法によって、排出量を試算することができます。
排出源の種類による複数の排出ポイント(ボイラーや複数の溶媒塗布プロセスなど)は、報告の目的上、単一の排出源とみなされる、または場所別に区切られる場合があります。 これには、プロセスエンジニアや環境エンジニアなど資格を有する個人が、適切な手法を講じる必要があります。
FEM でのオペレーションから発生する大気排出の報告
工場のオペレーションソースからの大気排出データを FEM で報告する前に、データ品質チェックを実行して、データおよび排出データの計算・追跡に使用されるプロセスが正確な大気排出データの生成に効果的であることを確認する必要があります。
注意:各発生源からの排出量を決定するために使用されるメソドロジーは、プロセスエンジニアや環境エンジニアなどの資格のある個人が選択して適用する必要があります。
- 各排出源に対し、汚染物質の排出量を算出する必要があります。 エミッション試験データや工学的推定によりこれを行います。
- 工場は、利用可能な排出量の試算方法によって、排出量を試算することができます。 これに関する優れた参考資料となるのは、繊維産業向け汚染物質排出量情報(NPI)の排出量試算マニュアル(http://www.npi.gov.au/system/files/resources/1889355c-bdcc-f7d4-853f-203ddf3652bd/files/ftextile.pdf)です。
- 排出量の推定には、USEPAAP42大気排出係数の編集(https://www.epa.gov/air-emissions-factors-and-quantification/ap-42-compilation-air-emissions-factors)など公表されている排出係数も使用できます。
- 発生源が許認可の規制対象となっていない、または必要な許認可に準拠していない場合は、発生源からの排出データを質問1のデータ表に含める必要があります。
- 排出量がリンクされている機器をリストアップします。 注意:排出源が2箇所以上ある場合は、そのすべてをリストに記載します(例:ボイラー1、ボイラー2)。
- 許認可によって規制されていない、または規制に準拠していない汚染物質をドロップダウンリストから選択します。 注意:それ以外を選択する場合は、「追加コメント」フィールドにその旨を記載してください。
- 排出源から排出される汚染物質の量をリストに記載します。 各汚染物質源における量は、合計し、Higg FEMに入力します。. ある種の排出源(ボイラーや発電機など)からの複数の排出ポイントは、FEMの報告の目的上、単一の排出源と見なすことができます。
- 注意:排出量に濃度(PPMやmg/m3など)が記載されている場合は、発生源の排気流量データを表に入力する必要があります。
- 該当する場合は、発生源の試験に使用された試験方法または機器を報告してください(例:粒子状物質のU.S.EPA法5またはNOxのリアルタイム連続排出モニタリングシステムなど)
「追加コメント」フィールドにメモを追加して、データの仮説、推定方法を説明、また発生源から排出される汚染物質の量に関するその他の関連コメントを記載します。
検証方法
工場の大気排出データを検証する際、検証者は、工場での排出追跡プログラムで以下のように不正確になる恐れのあるものについては、あらゆる側面を確認する必要があります。
- 排出データの情報源(試験報告書、排出量モデル化、その他工学的推定など)
- データ集計に使用した手順やツール(スプレッドシート計算、単位換算など)
一貫していない点や誤りが認めれた場合は、可能な箇所は報告済みの情報を修正し、データ検証フィールドにその旨を詳細に記載します。
満点:
- 必要書類
- 工場のオペレーションに関連するすべての発生源からの大気排出量のインベントリ。
- エミッション試験またはモニタリング報告書 スプレッドシート(Excelなど)にコンパイルされた試験データは、試験報告書が確認可能であり、データが報告された情報と回答されたすべての質問に一致している限り、問題ありません。
- 該当する場合、文書化された排出量推定方法や計算方法
- 各排出源に関してHiggに入力した情報は、排出源となる設備や排出量など、適切な証拠での検証が可能です。
- 面接時の質問
- 管理職は、大気排出源のリストと、排出量の推定方法を含め、各発生源のインベントリを作成する方法を説明することができます。
- 検査 – 物理的に見る検査対象
- リストに上がっている大気排出源の工場敷地内評価
- 排出源リストに、関連する設備が全てリストされるようにします。
部分点
- 必要書類
- 認可組織から発行されて3か月未満であることが記載されている、認可要件の遵守を示す書類。
- 遵守を満たしていない大気排出源の実行計画が完了していること。
- 面接時の質問
- 経営者層は、不遵守の原因について、またどのように遵守をするかという計画について説明できる。
- 検査 – 物理的に見る検査対象
- 不遵守の排出源について行われた改善や対策。 写真を撮ってください。
製造工程が原因となっている大気排出源を全て選択してください。
- 選択された工程
- この排出源からの排出はありますか?
- 排出源の名称
- この排出源からの排出を追跡していますか?
- この排出源からはどの汚染物質が見つかりましたか?
- その汚染物質は、政府機関によって規制されていますか?
- 汚染物質が許可によって規制されている場合、許可を遵守していますか?
- 貴社工場に許可違反がある場合、検出された物質に対する行動計画を更新してください
- コピーのアップロードが不可能である場合は、こちらに行動計画を記載してください。
- 該当する場合は、排出テストレポートをアップロードします。
- 追加コメント
この質問は、製造工程から出る室内空気質排出の有無を追跡します。 これには製造工程の漏洩源も含みます。(煙突がない排出源で、屋内に排出されその後窓やドアを通して大気中に排出されるものなど)
注意:将来のバージョンでは、Higg FEM は排出量データの詳細な追跡と報告を必要とし、以下の技術ガイダンスと検証要件が参照用に提供されます。
質問の意図
この質問の意図は、貴社工場が工程における大気汚染源を把握し、対策と除去を行って監視、制御することです。
技術ガイダンス
排気筒や煙突で捕捉されて排出されるかどうかに関わらず、すべてのプロセス排出量を追跡する必要があります。 これには、乾燥室のような非点源や屋外の埃などのような大気漏洩も含まれます。
下記の要素は、インベントリに含むべき項目例です。 (出典: GSCP):
- 既知の汚染物質、あるいは存在している可能性の高い汚染物質
- 試算された排出量
- 排出/放流ポイントまたは場所(該当する場合)
- 制御機器(該当する場合)
- モニタリングの実施
- 法的規制の遵守(該当する場合)
ノンポイントソース排出の汚染物質の量を判断するには、異なる方法が必要とされます。 大気漏洩源には、特定の規制計算または報告方法が適用される可能性があることにご注意ください。 大気排出量を決定する方法について追加の説明と例を以下に示します。
- インベントリに基づく(排出可能性、PTE)
- 排出の可能性とは、エネルギー生成と化学物質処理を含むすべての大気排出のインベントリを調べて、その工場から排出される可能性のある最大量を設定することです。 例:1トンの IPA を購入した場合、1トンの IPA が大気中に排出されると言えます。 これは一般的に非常に慎重な仮定で、工場から排出される可能性のある最大値になります。
- 大気排出量を作成または報告する際、慎重な推定値を提供するために、一般的に、揮発性汚染物質の100%が環境に排出されるものと試算されます。 パーセント構成に範囲がある場合(SDS上で)、範囲の上部を使用できます。
- インベントリに基づく(排出可能性 + 物質収支および/または除去)
- PTE分析が完了後に、物質収支および/または除去の仮定が追加される場合があります。 例:1トンの IPA を購入した場合、すでに0.25トンが溶剤回収に使われ、0.75 トンが大気排出されると仮定されます。 ただし、熱酸化装置を使用して0.75トンを90%の効率で浄化した場合、0.075トンだけが大気に放出されると計算されます。 同様の手法は、再利用、廃水、その他の廃棄物タイプなど、物質収支のさまざまな用途に適用できます。
- 排出係数に基づく(工場またはオフサイトテスト)
- 排出係数は、特定のプロセスでの標準的な排出率を表します。 例:1kgの化学物質のレシピを使用するプロセスをテストして、そのレシピが実行されるたびに0.05kgだけが大気中に放出されることを示すことができます。 その場合、その工程とその特定のツールで使用される化学物質1kgごとに、0.05kgを掛けて総排出量を求めることができます。 この種類のテストは、工場内または工場外の第三者によって実施することができます。 この係数を使用するには、一般的なレシピとツールが同じか類似していれば、同じ排出量を得ることができる点にご注意ください。 特定の工場では、そのオペレーションを表すために数百または数千もの排出係数が必要になる場合があります。 この手法を実施するには、テストやドキュメンテーションがすべて利用できるようになっている必要があります。 レシピとツールの設計が頻繁に変更されない場合、または同様のレシピが長期間使用される場合、繰り返しのエミッション試験を避けることができ、これは排出量を推定するための非常に費用効果の高い方法となります。
いずれにせよ、排出量試算方法は、発生源タイプに適用可能でなければなりません(例えば、断続的な活動または異なる化学物質を切り替える頻度が高い場合、そのプロセスの年間溶媒消費量に基づいて排出量を試算することができます)。
物質収支の例:排出量は、使用される材料の化学組成(OC含有量の割合、または個々の汚染物質の割合)および年間使用される化学物質の量(リットル/年)に基づいて推定できます。
例として、毎年合計100リットルのアセトンがスポット洗浄に使用されます。 アセトンの濃度は、784 kg/m3です。 50%が廃棄物として回収され、50%が環境に排出されると仮定すると、年間大気に排出されるアセトン量は、50 L X(784 kg/m3/1000 L/m3)= 39.2kg と計算できます。
別の例:化学物質のVOC含有量が 5g/Lで、工場がそれを年間1,000Lを使用しているにもかかわらず、90%の効率で除去が行われる場合、年間排出量は5,000g ×(10%)= 500gになります。
排出係数が使用可能な場合もあります。 例:既知量の窒素含有化学物質が別の非窒素含有化学物質と混合され、テストで窒素酸化物の排出が検出された場合、変更されずにレシピが繰り返されているならば、排出係数を使用できます。 元の化学物質1kgが常に0.3kgのNOxを生じる場合、このレシピでのNOxの排出係数は0.3です。 こういった計算は複雑なため、この手法を選択される場合は、化学および環境の専門家に任せるようにしてください。
参照:
繊維産業向け汚染物質排出量情報(NPI)の排出量試算マニュアル:(http://www.npi.gov.au/system/files/resources/1889355c-bdcc-f7d4-853f-203ddf3652bd/files/ftextile.pdf
US EPA Compilation of Air Pollutant Emissions Factors (AP-42):https://www.epa.gov/air-emissions-factors-and-quantification/ap-42-compilation-air-emissions-factors
上記の例はすべて基本的な例で、排出量試算の原則を示すに過ぎません。 これには、プロセスエンジニアや環境エンジニアなど資格を有する個人が、適切な手法を講じる必要があります。
FEM での生産から発生する大気排出の報告
生産を発生源とする大気排出データを FEM で報告する前に、データ品質チェックを実行して、データおよび排出データの計算・追跡に使用されるプロセスが正確な大気排出データの生成に効果的であることを確認する必要があります。 上記の質問1で排出量を報告する際に提供されたガイダンスは、この質問で生産を発生源とする排出量を報告するためにも使用します。
注意:各発生源からの排出量を決定するために使用されるメソドロジーは、プロセスエンジニアや環境エンジニアなどの資格のある個人が選択して適用する必要があります。
検証方法
工場の大気排出データを検証する際、検証者は、工場での排出追跡プログラムで以下のように不正確になる恐れのあるものについては、あらゆる側面を確認する必要があります。
- 排出データの情報源(試験報告書、排出量モデル化、その他工学的推定など)
- データ集計に使用した手順やツール(スプレッドシート計算、単位換算など)
一貫していない点や誤りが認めれた場合は、可能な箇所は報告済みの情報を修正し、データ検証フィールドにその旨を詳細に記載します。
あてはまる
満点:
- 必要書類
- 製造工程から出る全ての排出源に対する大気排出インベントリ
- エミッション試験またはモニタリング報告書 スプレッドシート(Excelなど)にコンパイルされた試験データは、試験報告書が確認可能であり、データが報告された情報とすべての質問の回答に一致している限り、問題ありません。
- 該当する場合、文書化された排出量推定方法や計算方法
- 各排出源に関してHiggに入力した情報は、排出源となる設備や排出量など、適切な証拠での検証が可能です。
- 面接時の質問
- 経営者層は大気排出源のリストについて説明でき、各排出源に関してどのようにインベントリを作成しているのか説明できる。
- 検査 – 物理的に見る検査対象
- 大気排出源の施設内評価はリストに挙げられているものと一致する。
- 排出源リストに、関連する設備が全てリストされるようにする。
- 政府や認可機関が規制している全大気排出源(設備)のテスト結果を裏付ける書類
部分点
- 必要書類
- 認可組織から発行されて3か月未満であることが記載されている、認可要件の遵守を示す書類。
- 遵守を満たしていない大気排出源の実行計画が完了していること。
- 面接時の質問
- 経営者層は、不遵守の原因について、またどのように遵守をするかという計画について説明できる。
- 検査 – 物理的に見る検査対象
- 不遵守の排出源について行われた改善や対策。 写真を撮ってください。
冷媒の使用/排出を追跡していますか?
「はい」と回答した場合、既存設備に追加された冷媒をすべて選択してください
- 冷媒
- この報告年次中に既存の設備に追加された冷媒の量
- 測定単位
- この排出源からの排出を追跡した方法は何ですか?
- この漏れを修繕する計画は何ですか?
この質問はGHG排出算出に使用します。漏れの量に関する正確なデータ入力は大変重要です。 貴社のGHG結果は、貴社の改善機会に対して方向性を示すことを意図しています。しかし、公的報告するために正式なGHGを算出するためではありません。
冷媒を既存の設備に追加するということは、システムに漏れがあることを示唆しています。 CFCベースの冷媒を建物内で使用している場合、年間の漏洩を5%以下まで削減する必要があります。また、設備の残りの耐久年数間で総漏洩量を冷媒重点量の30%未満に留める必要があります。
次の場合のみ「いいえ」と回答することができます。報告年次中、既存の設備に冷媒を追加していない。 満点が与えられます。
報告年次中、既存の設備に冷媒が追加されたかどうかわからない場合は、不明と回答する必要があります。
冷媒が追加されたことは知っているが、量が不明な場合は、「貴社工場は、この報告年次中に既存の設備に冷媒を追加しましたか?」の質問に「はい」と回答し、 「冷媒の使用・排出を追跡していますか?」の質問に「いいえ」と回答してください。
質問の意図
報告年次に貴社工場が排出した冷媒の量を示す定量的データを入力していただくことです。 この質問は、使用されている冷媒、工場内のどこで使用されているか、また大気に排出されている可能性のある冷媒の量を特定するのにも役立ちます。
技術ガイダンス
冷媒はオゾン層破壊物質であり、一般的な冷媒が持つ比較的高い地球温暖化係数(GWP)により、GHG排出と気候変動にとって有害な原因となる可能性があります。 冷媒は、機器からの漏れ、点検・修理、廃棄によって排出されることが多い物質です。
近代的な設備は漏れを最小限に抑えるように設計されているものの、発生している場合には漏れを特定することが重要です。 漏れは通常、機器に冷媒を追加する必要があることで確認できます。 漏れを修正するための行動計画を立てたり、冷媒の漏れをなくすために機器をアップグレードしたりすることも重要です。
冷媒を生産現場で使用する場合は、これらのガスを段階的に使用停止するための解決策を検討する必要があります。 もう1つの解決策は、冷媒、エアゾール噴射剤、発泡剤の用途にHFOなどの地球温暖化係数(GWP)が低い冷媒を使用することです。 下記の冷媒のリストを参照してください。冷媒には参照番号が付けられています。貴社が使用する冷媒のうち、追跡して、段階的に使用を停止することが重要となる冷媒がどれかということを判断することができます。https://www.ashrae.org/standards-research–technology/standards–guidelines/standards-activities/ashrae-refrigerant-designations
CFCとHCFCは、モントリオール議定書と呼ばれる国際的な合意の下に段階的に使用が停止され、HFCを代わりに使用する傾向にあります。HFCは強力な温室効果ガスで、高いGWPがあり、製造プロセスやこのガスを使用していた設備からの漏洩、点検・修理、それを使用していた機器の廃棄によって大気中に放出されます。 新しく開発されたハイドロフルオロオレフィン(HFO)は、HFCの一種であり、大気中の寿命が短く、GWPが低いことが特徴です。 HFOは現在、冷媒、エアロゾル噴射剤、発泡剤として導入されつつあります。
オゾン層破壊物質の段階的使用停止についての詳細については次のページを参照ください。:https://www.epa.gov/ods-phaseout
- スコープにリストされていない物質には下記があります。
- セメントのような鉱産品の製造と消費、鉄やスチールといった金属製品、化学物質の製造 (CO2)
- アジピン酸の製造。これはナイロンなどのファイバーや、他の合成製品の製造に使用されています。 (N2O)
- 天然ガスや原油の製造、処理、保管、輸送、流通、および石炭抽出 (CH4)
- 畜産オペレーション、埋立処理、嫌気性廃水処理 (CH4)
- 農業土壌管理、合成肥料の製造と散布、家畜糞管理 (N2O)
- 林業および土地の使用 (CO2)
- パーフルオロカーボンは、アルミ製造や半導体の製造と関連した、様々な産業プロセスの副生成物として発生した化合物です。 (PFC)
- HFC-23は、 HCFC-22製造の副生成物として製造されています。 (HFC)
- 六フッ化硫黄(SF6)はマグネシウム処理および半導体製造で使用されます。また、漏洩検知用の追跡ガス、回路ブレーカーを含む電気通信設備内で使用されます。
更なる詳細については下記ページを参照ください。
- https://www.epa.gov/sites/production/files/2015-07/documents/fugitiveemissions.pdf
- https://ww2.arb.ca.gov/our-work/programs/refrigerant-management-program
冷媒使用の追跡
冷媒の使用を確認し追跡することは、工場内での冷媒使用を管理する上での第一ステップです。 追跡および報告プログラムを作成する際には、以下からとりかかります。
- すべての工場設備(生産設備および運営設備)を明確化し、冷媒を使用している機器を特定します。
- ここでは、機器で使用されている特定の冷媒タイプ(R-22など)を特定することも必要です。
- 各機器から放出される冷媒の量(漏れ、廃棄など)を決定する手順を確立します。
- 通常、放出される冷媒の量は、機器に追加される冷媒と同量です(以下の漏れ率の計算を参照ください)。
- 冷媒の購入請求書または点検・修理記録も、放出される量を決定するのに役立つ場合があります。
- 推定技術を使用する場合、計算方法を明確にし、検証可能なデータの裏付けが必要です。
- 確認しやすい形式[Excelなどのスプレッドシートや、人間が読める形式でデータをエクスポートできる同様の分析ソフト(Excelやcsvなど)]で追跡データ(月次、年次漏洩量、満タンの記録など)を記録し、検証時に確認できるよう、関連した裏付けとなる証拠を保管します。
漏洩率の算出
1台の機器から排出される冷媒の量を決定する際、排出される冷媒の量は通常、一定期間後満タンに戻すのに追加された量に等しいとされます。
- たとえば、チラーユニットの冷媒を満タンに補充した場合、1年間の稼働後、ユニットを再び満タンにするには0.5kgを追加する必要があるとします。そうすると、1年間で漏洩または機器の稼働により0.5kgが排出されたと想定されます。
冷媒の排出量を追跡する場合、工場は報告年次に機器に追加された冷媒の量を直接測定して記録するか、漏洩率を使用して排出量を推定することができます。
漏洩率は通常、満タン量に対し12か月間に失われる量の割合として表されます。 以下は、漏洩率を算出する計算方法の一つです。
- システムを満タンにするために追加した冷媒量をキログラム(kg)で取り、それをシステムの通常の満タン量(kg)で割ります。
- 前回満タンにしてから今回追加するまで経過した日数を特定し、365(1年の日数)で割ります。
- 手順1で出した冷媒量(kg)を、手順2で特定した日数で割ります。
- 最後に100%を掛けます(パーセンテージ値を出すため)。
例:
チラーユニットNo.1
- 追加した冷媒 = 1kg
- 満タン時 = 5kg
- 追加までの日数 = 275日
漏洩率 = (1kg ÷ 5kg) ÷ (275 ÷ 365) x 100% = 26.5%
したがって、このチラーユニットは、年間1.33kg(満タン時の26.5%)の冷媒を失うまたは排出していることになります。
注意:漏洩率は、機器が追加の点検・修理や交換が必要な時期を特定するのにも利用することができます。
FEM での冷媒データ報告
FEM で冷媒使用データを報告する前に、データ品質チェックを行い、データ「および」収集・記録プロセスが正確なデータを生成するために効果的であることを確認します。
するべきこと:
- ソースデータ(機器のメンテナンス記録、稼働記録、冷媒購入請求書など)を集計された合計と照合して、正確であることを確認します。
- データ追跡スプレッドシートの更新バージョンが使用されていること、すべての自動計算や式が正しいことを確認してください。
- 適切な単位が報告されていること、ソースデータから報告データへ単位が変換されていることを確認します。
- 仮定または推定方法や計算をレビューし、正確であることを確認します。
- FEM で適切な追跡手法を報告します(測定値、漏洩率、推定値など)。
以下は禁じられています。
- 正確性に欠けるデータ(情報源が不明、または未検証)を報告すること
- 検証可能で合理的かつ正確な推定方法やデータ(漏洩率や工学計算など)に基づいていない推定データは、報告します。
検証方法
工場の例ばい使用データを検証する際、検証者は、工場での冷媒使用追跡プログラムで以下のように不正確になる恐れのあるものについては、あらゆる側面を確認する必要があります。
- 初期のデータ収集プロセスおよびデータソース(機器のメンテナンス記録、稼働記録、冷媒の仕入れ請求書など)
- データ集計に使用した手順やツール(スプレッドシート計算、漏洩率計算など)
一貫していない点や誤りが認めれた場合は、可能な箇所は報告済みの情報を修正し、データ検証フィールドにその旨を詳細に記載します。
満点:
- 必要書類
- 冷媒設備の、全てについて最新の冷媒への交換など、設備の点検・修理に関する記録
- この記録では、2021年中に冷媒の追加がないことが明示されていなければなりません
- 面接時の質問
- 冷却設備のメンテナンスの担当従業員は、設備からの漏洩を評価するプロセスと頻度を説明することができますか?
- 検査 – 物理的に見る検査対象
- 行き届いた設備メンテナンスの記録。
- 潜在的な冷媒の漏洩
部分点
- 必要書類
- 冷媒設備の、全てについて最新の冷媒への交換など、設備の点検・修理に関する記録
- 冷媒を追加した日付、タイプ、量を記録した設備記録
- 漏洩源が特定されていること。
- 実行計画があり、漏洩が速やかに修復されるようにする担当従業員がいること。
- 面接時の質問
- 冷却設備のメンテナンスの担当従業員は、設備からの漏洩を評価するプロセスと頻度を説明することができますか?
- 漏洩の修復の担当従業員は、問題解決のために何をするか説明することができますか?
- 検査 – 物理的に見る検査対象
- 行き届いた設備メンテナンスの記録。
- 設備をメンテナンスする責任者が、漏洩について対処したことを示す証拠。
- 水源
- この排出源に対する制御装置/除去過程はありますか?
- どんな制御装置、除去過程、安全設備をこの大気排出源に対して使用していますか?
- どのぐらいの頻度で測定しますか?
アップロード例: 制御装置や除去プロセスの排出テスト記録
以下に該当する場合のみ、「はい」と回答してください。オペレーションによる排出源すべてに対して設置し使用中の制御装置がある。
以下に該当する場合、「部分的にあてはまる」と回答してください。オペレーションからの一部の排出源に対して設置し使用中の制御装置がある。 この質問は、製造工程からの室内空気質排出の制御は含みません。
点源排出の定義 – 何らかの方法で制御され、排気筒などの単一の排出源から大気中に放出される空気の流れ。 これらの排出物は、ボイラーからの排出物などの施設関連、または揮発性化学物質使用のための排気システムなどの処理関連の場合があります。
質問の意図
この質問の意図は、工場が効果的な制御を実施し、点源から大気への排出を管理・制限しているかを判断することです。
大気汚染制御装置装置や、除去装置は、オペレーションから、環境や人々の健康に害をおよぼす物質の大気中への排出の削減や除去に使用される技術です。 除去プロセスは、大気中への排出源と必要性に応じて、単純なプロセスから洗練されたデバイスや制御機器まで多岐にわたります。 工場が大気排出に必要な基準を満たしている場合は、除去プロセスがすでに実施されているか、制御装置が既存の機器の一部である可能性が最も高くなります。 装置の例としては、集塵抽出ユニット(DCE)や、スクラバー、焼却炉などがあります。
技術ガイダンス
この質問は、主に点源または排気筒からの排出を対象としています。 たとえば、これには工場のボイラー、または工程排気のその他排気筒が含まれる場合があります。 こういった排出の制御は、集塵機、スクラバー、焼却炉などが関ります。
制御装置や除去装置の測定およびメンテナンスは、貴社工場の予防保全プログラムやチェックリストに含めて、継続的に視覚的検査を行い問題があればすぐに特定できるようにする必要があります。
通常、制御装置の有効性と効率は、データの監視/テストを通じて証明されます。 そのため、定期的な監視が行われていない工場は、この質問に対して「あてはまらない」と回答する必要があります。
得点:工場が、すべての特定されたまたは潜在的な大気中への特定排出源や煙突からの排出に対し、制御が行われていなかった場合、排出物の排出量が軽減されるような除去過程または制御過程があれば(技術的に可能な場合)、満点が与えられます。 これには明らかに確認が必要であるため、前述の監視/テストデータが要求されます。
検証方法
あてはまる
- 必要書類
- 制御装置か除去プロセスの図面、説明書、手順
- リストに挙げている制御装置のキャリブレーションとメンテナンスの記録
- 面接時の質問
- 経営者層と担当従業員は、制御装置か除去プロセスが貴社工場で使用され、これらがどのように大気排出を削減するのかを説明できる。
- 検査 – 物理的に見る検査対象
- リストにある工場内の制御装置について、オペレーションによる排出源すべてに対し、実際に適切な場所に設置、使用され、(担当者が定期的にメンテンナンスと観察を行うことで)装置の動作状態は良好であることを確認します
部分的にあてはまる
- 「あてはまる」と同様ですが、オペレーションからの排出源すべてではなく一部に対して制御装置が設置されています。
参照:この質問は、サステナビリティ・コンソーシアムのホームテキスタイルおよびアパレル繊維ツールキットへの応答に使用できます。 大気質ー製造主要業績評価指標に従い、回答者は、最終製造工場が年間大気排出量を追跡して報告しているか回答する必要があります。 TSCの質問に回答するために、ブランド毎に工場のデータを総計することができます。
- 水源
- この排出源に対する制御装置/除去過程はありますか?
- どんな制御装置、除去過程、安全設備をこの大気排出源に対して使用していますか?
- どのぐらいの頻度で測定しますか?
アップロード例: 制御装置や除去プロセスの排出テスト記録
以下に該当する場合のみ、「はい」と回答してください。製造工程からの排出源すべてに対して設置し使用中の制御装置がある。
以下に該当する場合、「部分的にあてはまる」と回答してください。製造工程からの一部の排出源に対して設置し使用中の制御装置がある。
非点源または大気漏洩の定義 – Higg FEMでは、これらの大気排出源は、通常の屋内または屋外環境に放出されるものです。 これらのタイプの排出は通常、スクリーン印刷、スポットクリーニング、染色などの処理に関連しています。
質問の意図
この質問の意図は、工場が大気排出の非点源または漏洩源からの放出を管理・制限するための効果的な管理を実施しているかどうかを理解することです。
大気汚染制御装置装置や、除去装置は、環境や人々の健康に害をおよぼす物質の大気中への排出の削減や除去に使用される技術です。 除去プロセスは、大気中への排出源と必要性に応じて、単純なプロセスから洗練されたデバイスや制御機器まで多岐にわたります。 たとえば、これには、乾燥室から発生する排気ガスでVOC処理されるものが含まれる場合があります。
技術ガイダンス
この質問は主に、排出物を生成し、室内空気質および環境の両方に影響を与える可能性がある非点源排出を対象とします。 排出を発生する製造工程には以下のようなものが含まれます。
- 社内でグリコール、ジオキサンなどを含む溶媒系を使用して固体着色剤(通常は酸性、反応性、分散染料)を溶解することにより独自の着色剤/インクを製造しているデジタルプリントユニット。
- 溶媒を使用するコーティング/ラミネートユニット
- 通常、粉末状のバット染料を使用したビスコースフィラメント糸を使用している刺繍糸染色ユニット
- 靴底を着色するためのスプレーシステムを使用するフットウェアアセンブリユニット
- 液体塗布室を使用する皮革コーティング/噴霧ユニット
- 溶剤を使用する転写ユニット
- ハロゲン化溶媒を使用したドライクリーニング工程
- 過マンガン酸カリウム(PP)噴霧ユニット
- ラミネートまたは融合工程などを使用する成形ユニット
- 染色後の布/アパレルのキュアリング
- その他の溶剤または接着剤の塗布(糊付け、下塗りなど)
これらの排出物の制御には、追加の制御装置または除去過程、溶剤回収システム、吸着装置、または粉塵や群れなどを捕らえるフィルターまたはバッグハウスを備えたドラフトチャンバーまたは局所排気換気が含まれる場合があります。
制御装置や除去装置の監視およびメンテナンスは、工場の予防保全プログラムや継続的な視覚検査のチェックリスト、その他テストに含めて、問題があればすぐに特定できるようにしておく必要があります。
得点:特定された、または潜在的な大気中への漏洩排出の全てに対して、制御が行われていなかった場合に見出される排出量が軽減されるような除去プロセスまたは制御プロセス(技術的に適用可能な場合)が工場にあれば、満点が与えられます。
検証方法
あてはまる
- 必要書類
- 制御装置か除去プロセスの図面、説明書、手順
- リストに挙げている制御装置のキャリブレーションとメンテナンスの記録
- 面接時の質問
- 経営者層と担当従業員は、制御装置か除去プロセスが貴社工場で使用され、これらがどのように大気排出を削減するのかを説明できる。
- 検査 – 物理的に見る検査対象
- 工場内の制御装置のリストについて、製造工程からの排出源すべてに対し、各装置が実際に適切な場所に設置、使用され、(担当者が定期的にメンテンナンスと観察を行うことで)装置の動作状態は良好であることを確認します。
部分的にあてはまる
- 「あてはまる」と同様ですが、製造工程からの排出源すべてではなく一部に対して制御装置が設置されています。
大気排出- レベル2
質問
- 「はい」と回答した場合、レベルを述べてください。
PM, SO2, と NOxの排出テスト結果をアップロードしてください。
Higg FEMは、大気排出の実績が遵守レベルを超えることを推奨します。 しかし、現在のところ、アパレル、フットウェア、繊維産業に対する大気スタンダートは存在しません。 業界の大気スタンダードが利用可能になれば、それに従いツールを更新します。
質問の意図
この質問の意図は、貴社工場が遵守レベルを超えて燃焼設備からの大気排出を改善したかどうかを証明することです。
技術ガイダンス
大気スタンダートを満たす:大気排出は一般的に、地元の法規制が設定した特定の制限までが管理されています。 しかしながら、持続可能性においては、遵守レベルを超えて改善を行い、可能な限り最も野心的なレベルの大気パフォーマンスまで達成することが重要です。 現在のところ、アパレル業界には大気スタンダートが存在しません。そのためHigg FEMの大気セクションは、最も適切な大気汚染ガイダンスに沿った共同で開発された制限を活用しています。
Higg FEMの大気セクションは、貴社が、燃焼装置の制限物質に関して3段階の制限を設けて規制汚染物質を可能な限り削減することを推奨します。(例、 (e.g., boilers and generator) emitting 窒素酸化物(NOx), 硫黄酸化物(SOx)、粒子状物質(PM)を排出しているボイラーやジェネレーター) これらの制限はIFCの小規模燃焼施設排出ガイドライン(リンク)を活用することで特定されています。また、スリランカ、ベルギー、オーストラリア、ドイツ(50MW以上)、日本、インドのスタンダードも活用しています。 SACや他の業界組織はこれらの制限を徐々に改善し、またアパレル業界に別のスタンダートができた場合は、その別のスタンダードを代わりに導入します。
貴社は、排出制限のこれらのレベルに対して排出源の排出を削減する別の機会を評価することができます。 これらの例としては、ボイラーを改良してよりクリーンな燃料を使用したり、制御装置を改善して排出を削減することながあります。
ボイラーおよび発電機のドラフト大気基準(計測単位:mg/Nm3):
小:50MW未満 | レベル1 基礎的レベル | レベル2 戦略的レベル | レベル3 野心的レベル | |
PM | 150 | 100 | 50 | |
SO2 | 2000 | 1000 | 400 | |
NOx | 650 | 300 | 200 | |
中:50MW – 300MW | レベル1 | レベル2 | レベル3 | |
PM | 150 | 80 | 50 | |
SO2 | 1500 | 1000 | 200 | |
NOx | 600 | 300 | 150 | |
大:300MW超 | レベル1 | レベル2 | レベル3 | |
PM | 100 | 50 | 30 | |
SO2 | 850 | 600 | 150 | |
NOx | 510 | 200 | 150 |
検証方法
あてはまる
- 必要書類
- 工場が認可要件を上回って、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、粒子状物質(PM)においてさらに高いレベルの大気パフォーマンスを達成していることを示す排出テスト。
- 実行中の計画やプロジェクトに対して、達成するために何を行ったかという説明。 この説明には、設備や工程の交換のリストを含めてください。また、改善を行った後の排出の変化記録も含めてください。
- 面接時の質問
- 経営者層は工場が認可要件を超えた原因となった行動を説明することができる。
- 検査 – 物理的に見る検査対象
- 計画の中でリストに挙げられている参照項目。より高いレベルの環境パフォーマンスを達成するために使用した設備や工程を含む。
大気排出- レベル3
質問
以下をアップロードしてください。:設備アップグレードの計画やプロセスの書面、あるいは最近のアップグレードに関する書面。
以下にあてはまる場合は「はい」と回答してください。貴社に、機械をアップグレードするための書面化された計画がある場合。あるいは、全ての機会が最も現代的なバージョンにアップグレード済みの場合。これが汚染物質を制御して、大気排出を最低限に抑える最善の方法の一つだからです。
質問の意図
質問の意図は、工場が大気汚染物質制御の最新対策を共有したり、対策を実行していることを証明できるようになることです。
現代的な設備は、大気排出と室内空気質の問題を削減または除去する効果的な方法です。 排出を削減するために設備のアップグレード(例、設備の交換、既存設備の改造、さらに設備の除去効果を最適化する)(GSCP)の可能性を特定し査定するのには、可能性試験が有効です。
技術ガイダンス
旧式の、または効果的に動作しない機器は、多くの場合、利用可能な最高の技術(BAT)が利用されていません。もしくは、大気排出を制御するために最善な制御技術が利用されていません。 したがって、既存の機器は、新しく現代的な機器よりも多量の大気排出につながる可能性があります。 機械を近代化するということは、既存の機械を新しい技術で改造する、または大気排出を制御するためのより高度な技術を備えた新しい機器を購入することを意味します。
機械を現代的なものにアップグレードする1例として、冷却器やエアコンシステムのアップグレードがあります。アップグレードすると、GWPの低い冷媒を使用することができます。あるいはODSの代わりにより環境にやさしい冷媒を使うことができます。
別の例は、よりクリーンな燃料を動力源とする新しいボイラーまたは発電機を調達することであり、その結果、大気排出量が減少します。
検証方法
あてはまる
- 必要書類
- 設備アップグレードの計画やプロセスの書面、あるいは最近のアップグレードに関する書面。
- (該当する場合)、最近行った設備アップグレードのリスト
- 面接時の質問
- 経営者層は、設備アップグレードの計画や工程、あるいは最近のアップグレードに関する書類を説明することができる。
- 検査 – 物理的に見る検査対象
- 実行中の計画に対する工場内の設備アップグレードの検証。