一般的な紹介

私たちはみな、水が生命にとって必要不可欠であることを知っています。   そして地球が、どんどん暑くなり、乾燥して、人口が増えていることにも気づいています。 人口が増え、消費者がさらに衣料品や靴を求めると、淡水需要がさらに高まります。 地球上の水は有限です。しかし、人口と産業を維持するために、水への需要はさらに高まっています。 世界中で水需要が高まる中、工場が淡水を使用すれば、その分、労働者、コミュニティー、環境のためのきれいな飲料水を減らしていることになりまです。 これはビジネスに対するリスクを生み出すだけでなく、地域コミュニティーへのリスク、また広義において地球へのリスクを生み出すことになります。

工場でのオペレーションを通じて、淡水使用の改善行動を起こすために取水を理解することは大変重要です。

測定器会社で使用される水には測定器、測定器下記を含む様々なソースがあります。(定義参照:CDP水に関する報告ガイダンス

  • 表流水(淡水):表流水は地球表面上に自然に存在する水で, 氷床、氷冠、氷河、氷山、湿原、池、湖、河川や小川などです。 (地下に溜まっている淡水は「地下水」で、海は淡水ではありません。) 淡水に一般的に分類される水は、溶解した塩の濃度や他の溶解可能な固形物の濃度が低い水です。(1,000mg/l以下)
  • 雨水:企業が雨水を収集し使用する、あるいは洪水防止などのために雨水を管理している場合、水文系からの取水量を試算し開示する必要があります これにより企業は水への依存度とリスクについて更に理解が深まります。
  • 地下水:地表の下の土壌内にある水のことで、通常、その水圧は大気圧より大きく、土壌空間の大部分が水で満たされています。 再生不可能な地下水は、一般的にかなり深いところにあり、簡単に水が溜まることはなく、溜まるまでにとても長い時間がかかります これは「化石」地下水源と呼ばれることがあります。
  • 生成水:抽出や処理工程で、製品、原材料(原油、サトウキビを潰す際の副産物など)や中間製品、最終製品、副産物や廃棄物に直接接触したり、これらの製造や使用の結果生じたものです。 再利用水やリサイクル水も含まれることにご注意ください。

GRI-G4のEN10指標の説明によれば、リサイクル水や再利用水の定義は、「最終処理あるいは/または環境に排水する前に、別のサイクルを通して使用済みの水や廃水の処理を行うこと」とあります。 再利用水および再使用水の慣行には一般的に3つのタイプがあります。

  • 再利用水は同じ工程に戻るか、工程のサイクルで再利用水の使用頻度を上げる。
  • 再利用水や再使用水を、同じ工場の別の工程で使用する。
  • 報告している組織の別の工場で廃水を再利用する。 EN10指標に従えば、これには再利用する前に処理された水や、再利用前に処理されていない水も含まれます。 収集した雨水や、皿洗い、洗濯、風呂(グレイウォーター)といった家庭からの廃水も含まれます。
  • 市水:地方自治体あるいは公共の提供者による水
  • 別組織での廃水定義:Ceres Aqua Gaugeでは、廃水は「それまでに使用されていた目的、または量・質・発生時期により、その水が生み出された目的に対する直接的価値がなくなってしまった水」と定義されています。 冷却水は廃水とはみなされません。
  • 汽水表面水・海水:汽水表面水は、塩分濃度が比較的高い水です(10,000 mg/l以上)。 海水は一般的に塩の濃度が35,000 mg/l以上です。

注意:受け取った水をそのまま使用することもあれば、その水を処理する必要がある場合もあります。

適用性

このセクションの最初に、貴社の水環境リスクを評価するように求められます。査定にはWRI Aqueduct Tool、またはWWF Water Risk Filterを使用してください。 水の使用量が多く(毎日35m3 を超える)、かつ水環境リスクが高いか非常に高い地域に位置する工場は、適切な水管理を行うために、水セクションを全て完了するするように求められます。 水使用量が少ない工場で、水環境リスクが低いエリアに位置する場合は、レベル1の質問にだけ回答ください。

WRI Aqueduct ToolおよびWWF Water Risk Filterは、簡単な類似したツールで、水不足の危険性を評価するために使用できます。 

WRI Aqueduct Toolを利用する場合は、ホームページに移動し、グローバルな水リスクマップを探索するを選択し、画面下部より住所を入力するを選択して、貴社工場の住所から検索してください。 工場は、デフォルトの計量方式を選択する必要があります。 「低リスク」、「低から中リスク」、および「中から高リスク」は、FEMでは「低リスク」と定義されています。 「高リスク」および「非常に高リスク」は、FEMで「高リスク」と定義されています。

WWF Water Risk Filterを使用する場合は、貴社の所在国および地域までスクロールし、地図の色分けをご覧ください。  このリンクを辿ると、WWFメソッドの説明が参照できます。また、3ページには、リスク評価と色分けの説明があります。 

Higg FEMでの水使用の追跡および報告

水使用データを経時的に正確に追跡し、報告することで工場およびステークホルダーに改善をする機会に関する詳細な洞察を提供することになります。 データが正確性を欠くと、工場の水使用フットプリントの理解および環境への影響を削減して効率を高めるための対策を特定しにくくなってしまいます。 

水使用の追跡および報告プログラムを作成する際には、次の原則を適用する必要があります。

  • 完全性 – 追跡および報告プログラムには、関連する水源(FEMにリストアップされているもの)をすべて含めます。 発生源はデータ追跡から除外せず、報告は重要性にに応じて(少量の例外など)行います。
  • 正確性 – 水追跡プログラムへの入力データは、必ず正確で信頼のおける情報源(較正済みの計測器、既存の化学的測定原理、工学的推定など)からのものとします。 
  • 一貫性 – 時間の経過に伴う水使用量の比較を可能にする水データを追跡するための一貫した方法を使用します。 追跡方法、水源、その他水使用データに影響を与える運用に変更がある場合は、その旨を文書化する必要があります。    
  • 透明性 – すべての情報源(水道料金請求書、メーター指数など)、使用する仮定(推算方法など)、計算手法は、データインベントリで開示し、文書化された記録および裏付ける証拠によって確実に検証できるものでなければなりません。 
  • データ品質管理 – 品質保証活動(内部または外部のデータ品質チェック)は、水データ、およびデータの収集と追跡に使用されるプロセスに対して定義および実行し、報告されたデータが正確であることを保証する必要があります。  

上記の原則は、「温室効果ガスプロトコル第1章:GHG排出量の算定及び報告の原則」に基づいています。

水の使用 – レベル1

質問

水源

  • 貴社工場はこの水源からの使用水量を追跡しますか?
  • 報告年次におけるこの水源からの使用水量はいくらでしたか?
  • 測定単位
  • この水源からの使用水量を追跡するのに使用した方法は何ですか?
  • 測定の頻度はどれぐらいでしたか?

アップロード例:a)オプション:水源別年間消費概況 公共料金請求書のアップロードは不要ですが、検証時に閲覧できる状態にしておいてください。

水源からの水の使用量、追跡方法、測定頻度を示すことができない場合は、「貴社工場はこの水源からの使用水量を追跡していますか?」という質問への回答として、「いいえ」または「不明」を選択してください。

使用水の水源を特定できない場合は、この質問に対する答えとして「一般水または水源不明」を選択してください。

以下に当てはまる場合、満点を獲得します。貴社工場が全ての水源から取水する水量を完璧に追跡している。

以下にあてはまる場合は、部分点が与えられます。少なくとも一つの水源を完璧に追跡しているが、全ての水源は追跡していない。

Higg FEMは、使用水量データを一般的な単位(リットル)と総使用量の割合(%)に変換します。

この情報は、1日の平均使用水量の自動算定に使用され、適用性を確定します。

  • 貴社工場の1日あたり使用水量が35 m3を超える場合、貴社はヘビーユーザーです。
  • 貴社工場の1日あたり使用水量が35 m3以下の場合、貴社はライトユーザーです。

質問の意図

貴社工場で使用している推量を示す定量データを入力できるようにすることです。 この質問に回答いただくと、貴社の水源のリストを作成しやすくなります。リストがあれば、どのような水をどこにどれだけ使用しているのかを明確に理解することができます。  

全ての淡水源からの淡水使用量の測定は、水管理の基礎です。 全ての淡水源を測定することで、水収支の実行、淡水に基づいた主要業績評価指標(KPI)の設定、水漏れの特定、淡水のウォーターフットプリント確立、測定の能力を促進します。  水使用量は毎月またはさらに頻繁に測定することが推奨されます(現場のメーター指数など)。 

最も一般的な淡水使用は、市水飲料水です。 他の水源は地下水井戸、表流水(湖、河川、小川)、雨水、再利用の工程用水や凝縮液の場合があります。凝縮液は、外部水源から事業所へ提供された蒸気から回収された水です。

技術ガイダンス

貴社事業として管理(所有、運営、あるいは直接リース)している工場の敷地内や操業の中で、使用している水源を全て含めてください。 契約している社員食堂やレンタルショップなど、外部委託サービスは除外してください。

水使用を追跡することは、水使用管理の第一歩とみなされます。 以下のことから始めることをお勧めしています。

  • 事業プロセスと運用プロセスを精密に計画し、水源、水を消費する場所や工程を特定する。
  • 以下のように、水使用データを収集および追跡する手順の確立。
    • 公共料金請求書から、購入した推量を判断します
    • 雨水や再利用水など、その他の水源から消費した推量を追跡する手法を確立します
    • サブメーターを設置して、工場で使用した水の量を追跡します
    • 推定技術により使用水量を判断する場合、計算方法を明確にし、検証可能なデータの裏付けが必要です
    • 工場が水取得の棚卸をすることで、水源はどこか、誰またはどこが供給源なのかについての情報を収集します
  • 確認しやすい形式[Excelなどのスプレッドシートや、人間が読める形式でデータをエクスポートできる同様の分析ソフト(Excelやcsvなど)]で追跡データ(日次、週次、月次消費量記録など)を記録し、検証時に確認できるよう、関連した裏付けとなる証拠を保管する。

Higg FEM での水使用データ報告

FEM で水使用データを報告する前に、データ品質チェックを行い、データ「および」収集・記録プロセスが正確なデータを生成するために効果的であることを確認します。                                  

するべきこと:

  • データ源(公共料金請求書、メーター記録など)を合計と突き合わせ、正確であることを確認します。 
  • 過去のデータと当年のデータを比較します。 大幅な変化(10%を超える増減など)は、既知の変化に起因していなければなりません。 そうでない場合は、さらに調査する必要があります。
  • データ追跡スプレッドシートの更新バージョンが使用されていること、すべての自動計算や式が正しいことを確認してください。
  • 適切な単位が報告されていること、ソースデータから報告データへ単位が変換されていることを確認します。
  • 仮定または推定の方法論や計算を確認して、正確であることを保証します。

以下は禁じられています。

  • 正確性に欠けるデータ(情報源が不明、または未検証)を報告すること
  • 検証可能で合理的に正確な推定方法やデータ(工学計算など)に基づいていない推定データを報告すること

検証方法

工場の水使用データを検証する際、検証者は、工場での水使用追跡プログラムで以下のように不正確になる恐れのあるものについては、あらゆる側面を確認する必要があります

  • 最初のデータ収集方法およびデータ源(公共料金請求書、現場のメーター、メーター記録など)
  • データ集計に使用した手順やツール(スプレッドシート計算、単位換算など)

一貫していない点や誤りが認めれた場合は、可能な箇所は報告済みの情報を修正し、データ検証フィールドにその旨を詳細に記載します。

満点:  

  • 必要書類
    • 水消費量の記録(例:毎月の請求書や年間消費量記録、メーター記録(メーター記録を確認できるなら、エクセル表で記載されたメーター記録でも可))。これらの総消費量は、全ての質問に対する回答と一致すること。
    • 該当する場合、メーターの較正記録(製造元の仕様に従って、など)
    • 該当する場合、記録のある推定方法
  • 工場の水源を完全に追跡している。 レベル1の表のリストにある水源全てについて、全ての欄に正確に回答する必要があります。
  • 面接時の質問
    • 主要従業員は、工場の水データ追跡プログラムおよびデータ品質の維持方法を認識している。

 

  • 検査 – 物理的に見る検査対象
    • 取水源や抽水源を確認します。
    • 工場に流量計がある場合い、それが所定の位置にあり、作動しているか確認してください。
    • (該当する場合)、流量計の写真を撮ってください。 

部分点

  • 工場内で使用される少なくとも一つの水源について、上記の「満点」の場合と同じ要件が求められます。 これは完璧に追跡する必要があります。 これは、レベル1の表に記載した少なくとも1つ(全部でなく)の水源について、全ての欄に回答することを意味します。また、その回答を全て裏付ける証拠があることを意味します。

その他参照:この質問に回答することで、The Sustainability Consortium’s Home and Apparel Textiles Toolkitへの対応が可能となります。 水使用―サプライチェーンの主要業績評価指標は、繊維工場が総使用水量を報告しているかをチェックします。  TSCの質問に回答するために、ブランド毎に繊維工場データを総計することができます。

水の使用 – レベル2

質問

水源

  • 基準値は絶対値ですか。あるいは正規化したものですか?
  • 基準値の量と測定単位は何ですか?
  • 基準値の年を入力してください。
  • どのように基準値を算出しましたか?
  • 基準値を検証しましたか?

以下に該当する場合は、「いいえ/不明」 と回答してください基準値の年および水源に関する水量を提示できない。

質問の意図

改善や削減を実行するには、起点を知ることが重要です。   基準値を設定すれば(例、定義された基準年での設定パラメーターの年間実績)、継続的な使用水量の追跡や、目標設定のための、明確な基準を持つことができます。  

技術ガイダンス

「基準値」は、起点あるいはベンチマークであり、長期的な比較に使用できます。

FEM では、ベースラインには「絶対値」(報告年次の総消費量。年間、自治体から 150,000m3など)、または製品や運用基準に合わせて「正規化した値」(製品単位当たり0.15m3など)があります。 オペレーションの変動を考慮し、データの正規化が推奨されます。それによりデータを前年と比較しやくすなり、ひいてはさらに有用で実用的な分析につながります。 

ベースラインを設定する際は、必ず以下を実践してください。

  • 水使用データが安定しており、ベースラインを決定するのに利用できることを確認する。 Higg FEMでは、基準値は通常1月から12月までの全てのデータを含まなければなりません。
    • 注意:貴社工場が構造的またはオペレーション面で大幅な変更をした場合(買収や製品タイプの変更など)、通常は、そのような変更が完了した時点でベースラインを設定する、または再設定する必要があります。
  • ベースラインを絶対値とするか正規価値とするか判断する(正規化されたベースラインが推奨されます)。 
  • 元データおよび正規化された測定基準データが正確であることを検証する。
  • Higg FEM 3.0によって検証された水量および生産量のデータ、有資格者による内部または外部の監査は、データ検証として認めることができます。
  • 適切なベースライン指標(年間の絶対値、または選択した正規化メトリックで除算して 150,000 m3 ÷ 1,000,000 個 = 0.15m3/個)を適用する。
  • 注意:製造に関連しない水の消費量には、必要に応じて他の正規化指標を使用する必要があります。 例:工場内のみの水の使用量は、一人当たりで正規化することができます(一人当たり一日または一月あたり0.005m3)。

注意:ベースラインを目標に対する実績の評価に使用する場合は、ベースラインは変更しません。

Higg FEM でのベースラインデータ報告

するべきこと:

  • 水の使用源データおよび未加工の正規化指標データ(水道料金請求書、メーター記録、製造量など)をベースライン決定に使用している合計と突き合わせ、それらが正確であることを確認します。 (例:水源の消費記録を月に一度再確認し、ベースラインを算出する年間の水消費量と一致していることを確認します。)
  • FEM で絶対値または正規化値のうち、適切なベースラインタイプを選択します。
  • 適切な単位が報告されていること、ソースデータから報告データへ単位が変換されていることを確認します。
  • ベースラインの年を入力してください。 これはベースラインデータの表示年です。
  • ベースライン算出方法を十分かつ詳細に記入します(水消費量は、生産される生地1メートルにつき正規化されている、など)。
  • 以下の場合、「ベースラインは検証されていますか?」の質問には、「はい」のみ選択してください。 ベースラインデータは、前回の Higg FEM 3.0 検証で、または内外の監査に際、有資格者により完全に検証されている。

以下は禁じられています。

  • 正確性に欠けるベースライン(情報源が不明、または未検証)を報告すること
  • 不十分なデータに基づくベースライン(通年のものではないデータなど)を報告する。 
  • 検証可能で合理的かつ正確な推定方法やデータ(工学計算など)に基づいていない推定データを報告する。

検証方法

工場のベースラインを検証する際、検証者は以下を確認する必要があります

  • ベースライン報告年次を対象に、全ての元データ(水道料金請求書、メーター記録、製造量)および集計データの合計、および/または、 
  • 必要に応じて、ベースラインデータ検証記録(前回の Higg 検証、データ品質確認、内外の監査など)

一貫していない点や誤りが認めれた場合は、可能な箇所は報告済みの情報を修正し、データ検証フィールドにその旨を詳細に記載します。

あてはまる

  • 必要書類
    • ベースラインの算出方法に関する説明およびメソドロジー
    • 基準値が、基準値を定めた年の消費量の記載と一致することを示す書類
    • ベースラインのデータ検証方法(使用したHigg FEM 3.0 の検証データや内部または外部検証プロセスなど)の裏付け。
  • 面接時の質問
    • 測定基準の管理を担当するチームとの話し合い。 担当チームは、基準値のデータ計算および検証方法を明確に説明する必要があります。(Higg FEM 3.0 の検証データを使用して、内部検証プロセスを使用して、外部監査など)

最も水を使用する要素を特定する方法をアップロードしてください。あるいはアップロードできる書類がない場合、こちらにその方法を説明してください。

貴社工場で最も使用水量の多い要素は何ですか?

アップロード例:(水の消費容量において)最も水を消費する工程やサービス、または工程のランク付け

何が貴社工場で使用水量に最も影響を与えているかを理解することは、大変重要です。 これにより、水の取水量を削減するために、戦略的にこれらの要素に焦点をあてることができます。

下記にあてはまる場合のみ「はい」と回答してください取水、損失水、排水に関わる水道管の設計図、ダイアグラム、フローチャートを書面化しており、メーターの場所が示されている。 これには、サブメータリングと、水を最も多く使用するプロセス、機械、または操作を理解するための適切な記録保管も含まれます。

質問の意図

質問の意図は淡水の使用量および工場施設への影響を評価し、どの工程、機械、オペレーションが最も水を使用するか特定することです。

継続して持続可能性への取り組みを行うためには、工場の境界内での水の使用への影響を工場が特定し、優先順位付けをする必要があります。   使用水量への特定の影響要因を工場が理解すれば、これらの要因に焦点をあてることで、使用水量を戦略的に削減できることができます。 工場は水の使用量とリスク制御が可能になる前に、水の使用量と、状況に応じた水のリスクを測定できるようにしておく必要があります。

技術ガイダンス

何が使用水量と環境に最も影響しているのかを工場が把握している場合、後で聞かれる質問に回答するために詳細が必要となります。 工場は最も使用水量が多い工程やオペレーションを特定する方法や、何が特に使用水量が多い原因となっているのかを証明する必要があります。

この質問に正しく回答するには、工場は特定の場所、ツール、工程に入っていく水量を把する必要があります。 どこで測定されているのか、あるいはどこで推定できるのかを示す工場の工程フロー図の作成は、使用水量の多いエリアを特定する最初のステップとなります。

このステップを開始する方法の一つには、水の監査テンプレートを作成することが挙げられます。 これには、施設内の水を使用する全設備を手動でリストに挙げ、メーター、クイックテストあるい概算を通してリストにあげられた使用に関して各項目でどれぐらい水を使用しているか特定することが含まれます。 上記作業を完了すれば、類似した項目は統合、合計することができ、例えば、トイレの使用水量と染色設備の使用水量を比較することができるようになります。 これにより、様々なエリアが、いかにうまく環境パフォーマンスを行っているか、知ることができますが、この作業を完了するには時間と努力が必要になります。 水監査はその時の一局面からの見解なので、実績を長期的に観察することはできません。

詳細は以下を参照してください。: 

  1. 水監査のステップ

http://www.facilitiesnet.com/green/article/Steps-in-a-Water-Audit-Facilities-Management-Green-Feature–9364

  1. 水監査データ収集シート

https://www.brewersassociation.org/attachments/0001/1518/Water_Water_Audit_Data_checklist.pdf

  1. 繊維湿式加工部門向けの水計算ツール

https://watercalculator.dnvgl.com

工場施設は水のポータブルメーターに投資して、工場全体のメーターを測定することができます。 電池式のデジタル・インラインメーターや、パイプの周りに取り付ける非侵襲性の超音波メーターなどが購入可能です。

ハードグッズ工場への新規ガイダンス: 

以下は、大量の水を使用する可能性のある、ハードグッズ製造業の製造工程の例です。

  • 鋳造(冷却水)
  • 脱脂(水性の脱脂剤使用)
  • 機械加工(冷却水)
  • 彩色
  • 研磨(冷却には水が使用される場合あり)
  • 陽極酸化処理、電気めっき、無電解めっき、コーティング
  • プリント回路基板製造(冷却水)

検証方法

あてはまる

  • 必要書類

(工場は、工場内の取水、損水、排水を下記の一方法または両方で評価、認識していることを示すことができます。)

  • 書面化された水のアセスメント(内部的に結論付けたものか、第三者によるもの)で、取水量の大部分の原因となっている側面を特定している。
  • どこで使用水量および廃水処理水の測定が行われているかを含む工場のフローチャート


  • 面接時の質問
    • 経営者層と主要従業員は、内部的か外部的に行われた水のアセスメントの結果に基づき、工場のどの側面が取水量の大部分の原因かを把握している。
    • 経営者層と主要従業員は、地元地域の水問題と工場がいかにその問題と関係しているか理解している。例えば、工場が地下水がストレスを受けている地域で、大量の地下水を使用している。


  • 検査 – 物理的に見る検査対象
    • 水道管の設計図、ダイアグラム、フローチャートを見直し、工場が充分水の使用を把握しているかチェックします。  
    • サブ・メーターや、使用水量の適切な記録

水源

  • 貴社工場では、この水源からの使用水量削減に対する目標値を設定していますか?
  • この水源に対する使用水量の変動目標は何ですか? (削減目標を負のパーセント値、使用量増加目標を正のパーセント値で入力してください。)
  • 目標年を入力する。
  • これは正規化データによる目標ですか、それとも絶対データによる目標ですか?
  • この目標を達成するための計画について記載ください。

以下をアップロードしてください。:取水量削減を設定した目標を説明した書類。

以下に当てはまる場合は「いいえ」または「不明」と回答してください。貴社が目標量や目標年および目標が水源に対する絶対値か正規化された値かを答えることができない。

満点を獲得するには、貴社の総使用水量の80%以上に相当する水源について目標を設定する必要があります。 

部分点を獲得するには、貴社の総使用水量の50~79%に相当する水源について目標を設定する必要があります。 これは、環境への影響を最大化させる最も使用水量の多い水源を貴社が削減したことに得点を与えるためのものです。

ご注意ください:満点または部分点は、改善目標を報告する水源に基づいて自動的に計算されます。

削減目標に関しては、必ず負のパーセント値で入力してください。(5%の削減には、「-5」)。また、使用量増の目標に関しては、正のパーセント値を入力してください(増量5%増の場合は、「5」)。

質問の意図

貴社工場が設備での水使用量削減目標を少なくとも一つ設定していることです。

サステナブルな企業は、環境へのネガティブな影響の最小化に向けて継続的に取り組みます。 さて、これで貴社工場の水使用量(貴社の基準値)および貴社の最大の水消費要因が分かりました。これで、水使用量の削減目標を設定することができます。

目標は長期的でも短期的でも構いません(短期は3年未満、長期は3年を超えたものです)。 一旦目標を設定すれば、少なくても四半期毎に進捗を見直し、目標実現に向けて順調に進めるために必要な調整を必ず行ってください。

技術ガイダンス

ベースラインと比較して設定日ごとに定量化した改善を推進するために、絶対値または原単位を使用することができます。 Higg FEM に対しては、削減目標は製造量メトリック(「製造現場情報」項目の年間ボリューム単位で選択)、またはその他適切な運用メトリックに正規化することができます。 正規化された目標値は、生産量の減少などのビジネスの変化の結果ではなく、実際にいつ進捗が見られるかを示します。 正規化目標の例としては、販売可能な製品1kgあたりの製造に使用した水の立方メートルがあります(m3/kg)。

FEM では、正式な目標値が設定されている場合、この質問に「はい」と回答することができます。 正式な改善目標を確立する際には、以下を必ず行うようにしてください。

  • 改善の機会と行動(装置の交換またはアップグレード)を正式に評価した上で目標を設定し、削減できる水量を算出する。
    • 例:向流洗浄システムの設置評価に基づき目標設定をするこで、生産される生地1平方メートル当たりの年間市水消費量を5%削減することになると期待されます。これは、洗浄システムの製造元仕様書および予想される削減要件の正式なレビューを基に算出されたものです。  または、10%の削減目標で、それは、すべての洗面所に低流量の水道栓を設置することで達成されるものです。これは、工場のベースラインとしての水使用量データおよび水道栓を設置することにより削減される流量に基づいて算出されたものです。
  • 明確な目標水量を設定する。それをパーセント値で記載する(生地1平方メートルあたり、正規化された市水の消費量を5%削減する、など)。 これは、上記の通り、正式な評価に基づくものでなければなりません
  • 目標値を絶対値か、または製造指標または運営指標に対する正規化値か決める。
  • 目標の開始日(「ベースライン」)を設定する
  • 目標の最終日を設定する。これは、必要な改善の完了予定日を意味します
  • 適切な測定単位を決める
  • 目標をレビューする手順を確立する。 これには、実行された内容や決められた目標達成への進捗を含みます。 四半期に一度のレビューが推奨されます。
  • 工場現場の使用水量の削減の目標に適合していることを確認する(現場での最も大きい使用水量に焦点をあてている、など)

Higg FEM での目標報告

するべきこと:

  • 目標をレビューし、前述のポイントがすべて含まれていること、情報が正確であることを確認します。  
  • 目標とする削減または改善をパーセンテージの値で入力します。 削減目標に関しては、必ず負のパーセント値で入力してください(5%の削減には、「-5」)。また、使用量増の目標に関しては、正のパーセント値を入力してください(増量5%増の場合は、「5」)
  • FEM で絶対値または正規化値のうち、適切な目標タイプを選択します。
  • 「この目標を達成するために計画された方法を記載する」フィールドに、目標達成のための方法を詳しく記入してください(例:工場の全トイレに低流量フィッティングおよび自閉水栓を設置することで、正規化された一人当たりの市水消費量が 5% 削減された)。

 

以下は禁じられています。

  • 正確性に欠ける目標(情報源が不明、または未検証)を報告すること
  • 不十分なデータに基づく目標を報告すること (例:表明した目標を達成するための機器のアップグレードなどオプションの正式な評価に基づいていない、または目標達成のためのアクションが決定されていない削減目標。)
  • 検証可能で合理的かつ正確な推定方法やデータ(工学計算など)に基づいていない推定目標値を報告する。

検証方法

工場の目標を検証する際、検証者は以下を確認する必要があります

  • 目標を検証するための裏付けとなる証拠(計算方法、水使用データおよびベースライン、新規のまたは提案されている機器の仕様など)はすべて、改善に向けた機会を正式に評価したものに基づいている。 
  • 目標と評価された機会が工場の水使用に関連していることを確認するための、水源と水使用に関する工場の運営。

 

一貫していない点や誤りが認めれた場合は、可能な箇所は報告済みの情報を修正し、データ検証フィールドにその旨を詳細に記載します。

満点:  

  • 必要書類
    • 削減や改善の機会を正式に評価した上で目標が設定されていることの裏付けとなる書類(計算方法、水使用データおよびベースライン、新規のまたは提案されている機器の仕様など)
    • 目標がどのように計算されたかを示すメソドロジーと計算方法
    • 目標達成のための対策やアクションのリスト
    • 目標は関係する従業員に伝達され、質問3.で特定された工場の主要な水使用と関連する。
    • 伝達は次の方法で行うことができます。会議、掲示板への掲示、社内誌の記事、その他の書面による、工場のエネルギー使用に関係がある職務に携わる従業員への伝達があります。 
      • 注意:もし目標が新しく設定された場合、見直しの方法や、責任の割り当てについて導入しておく必要があります。


  • 面接時の質問
    • 目標の管理を担当するチームとの話し合い。 チームは、目標の設定方法(改善機会の評価から計算された削減量に基づく、など)、監視方法、確認方法について、明確に説明し示す必要があります。
    • 経営者層は、水の保護事前対策を積極的に促進したり、支援している。
    • 経営者層は継続的な改善を促進し、毎年使用水量削減目標を見直している。 
    • 消費水量データは、関係する内部や外部のステークホルダーが利用出来る状態であり、目標達成に向けて説明責任を果たすことができる。

部分点

  • 「はい」と回答した場合と同じ要件が求められますが、水の総使用量のうち、複数の水源(あるいは一種類の水源)の合計50~79%に適用されます(このデータは、質問1の使用率計算で算出したものです)。

この質問に対するポイント付与方法の例

工場の水源が以下のようなものである場合:

  • 使用される水の90%は市水である
  • 敷地内で使用される水の10%は地下水井戸から供給されている

満点を獲得するには、工場は、市水使用に対する目標を設定することが必要があります。市水は水源として、工場の総取水量の80%を超るためです。 

目標が地下水を対象とするものに留まると、得点は得られません。地下水が水源として、工場の総取水量の50%にも満たないためです。

目標または実際の減水量(m3での量)は、付与される得点を決定する際、参照されないことにご注意ください。 

これは、環境への影響を最も軽減するような最大の取水源を減らすことを目標とする工場に得点を与えるためのものです。

実行計画のコピーをアップロードしてください。

アップロードの例: 水の消費量に関する目標削減を達成するための特定の行動を示す使用水量削減計画をアップロードしてください。

以下に該当する場合は、「はい」と回答ください。実施中の実行計画があり、目標に掲げる削減を達成するための対策を実行していることを示すことができる。

以下に該当する場合は「部分的に当てはまる」と回答ください。実行計画はあるが、全ての実行項目を開始しているわけではない。

質問の意図

目標設定は、体系的に使用水量を管理するための重要なステップですが、環境改善に向けて削減を行うためには、行動を起こす必要があります。 実行計画があれば、貴社が削減目標達成にむけて、取り組んでいる対策を示すことができます。 工場によっては、目標を設定していない実行計画があるかもしれません。 経営者層のコミットメントと従業員の認識および参加が、改善の機会の特定、解決策の提案、変革の実行に必要です。提案した解決策を上手く実行するのに必要であれば、資本や経費が使われます。 これには第三者コンサルテーション、文献や技術研究、デザイン事務所や、解決策導入に向けて、可能性のある他の選択肢の中のパイロットテストなどが関係してきます。 目標を達成するためのすべての活動は実行計画に含まれ、開始時より体系化され、きちんと取りまとめられて進捗させていく必要があります。  

技術ガイダンス

コミュニケーションに責任のあるビジネスプロセスや、承認された水資源保護プロジェクトの工程は、工場が正式に書面化する必要があります。

書面化には下記の実行のためのステップを含める必要があります。

  1. 節水機会の特定
  2. 節水のための代替案や投資および投資収益率(ROI)を評価する。  
  3. 選択した解決策のための資金を承認する。
  4. 解決策を実行し、削減を追跡する。
  5. 進展をチェックするために、実行計画を定期的に見直す。

節水機会は、例えば各従業員、水監査、水収支などによって特定できます。 簡単な節水代替案は、漏れを修繕するといったメンテナンスに関連している場合もあります。 他の節水代替案は、もっと複雑で工程の変更や設備や化学物質の代替が要求される場合もあります。下記が例です。

  • 工程や配合の最適化
  • 最適な工程条件や堅牢度要件をチェックする。  
  • 1回できちんとした製品を製造する精度を高める
  • 洗浄効果が改善できる化学物質を使用する。
  • 工程の統合:染料と化学物質を同じ槽で使用して、2段階を同じ槽で行う可能性
  • 最後から2番目のリンス液や洗浄水を他の工程で使用する可能性

コストは一般的に最も懸念される項目です。そのため工場は投資シナリオに関する利益を評価する必要があります。改善には資本がかかる場合がありますが、使用水量コストを削減することもでき、エネルギーや化学物質の節約になることもあります。 解決策を選択した後は、工場は実行計画を立案し、支援する必要があります。 バルブの交換ぐらい簡単なものもあれば、第三者と契約してデザイン構築を委任するような複雑なものである場合もあります。 究極的には、この質問では工場がどのように持続可能な改革をどのように進めるのか、その枠組みを聞いています。

貴社の実行計画には消費水量を削減するいかなる実行対策を含みます。 節水対策には下記が含まれます。

  • 復水を回収して再利用する。
  • 冷却水を回収して再利用する。
  • ゼロ排水(ZLD)処理技術を使用して、80%以上の水をリサイクルし再利用する。
  • 工程水やリンス液を回収して再利用する。(少なくても30%を推奨)
  • 低液流染色機を使用する。
  • 各工程の配合の液比を示す。
  • 連続洗浄の代わりにバッチ・リンスする。
  • 染料および助剤(塩を含めた化学物質)の自動注入装置

下記の最優良慣行を推奨します。

  • 設備洗浄やリンスを削減するために、スケジュールを組んでバッチ式で染色する(染色機械を同じような色でグループ分けする)
  • 廃液の色素が少なく、リンスサイクルを減らすような色素定着剤の最適な配合
  • 使用水量を削減するために化学物質を改善する。
  • 現代的な節水設備を導入する。
  • 工程において、使用水量をモニターするフローメーター
  • 節水に関する従業員の認識
  • 漏れの修繕(無駄を省く)

詳細は以下を参照してください。:

検証方法

あてはまる

  • 必要書類
    • 特定のプロジェクト、目標削減量、日付、水の総使用量の80%以上に及ぶ進捗などがリストアップされている水削減計画
    • 使用水量削減の機会や実行計画の日付を特定している外部者が実行した水監査やアセスメント


  • 面接時の質問
    • 経営者層は、実行中のプロジェクト、その進捗、プロジェクトによるメリットに言及しながらアクションプランを明確に述べることができる。  
    • 経営者層は、水の保護事前対策を積極的に促進したり、支援している。


  • 検査 – 物理的に見る検査対象
    • アクションプランの中の特定のプロジェクトが完了しているか進行中である。
    • 計画と関連する設備や工程の写真撮影

部分的にあてはまる

  • 「はい」と回答した場合と同じ要件が求められますが、水の総使用量のうち、複数の水源(あるいは単一の水源)の50~79%に適用されます。

水源

  • ベースラインの年を選択してください。
  • 貴社工場での、この水源からの取水における変化を示してください(水量、計測単位、割合の変化)
  • この改善を達成するために行った戦略について記述してください。 

アップロード例:a)少なくとも主要水源1か所(表層水、地下水など)に対する年次取水量の削減実績を正規化した値または絶対値で示すもの。またそれは、工場内での取り組みによるものであるとします。 b)前年(暦年)の取水量を正規化した値で示す水使用に関する追跡レポート。 

満点を獲得するには、水源について、前年(暦年)に総取水量の80%以上に相当する水源に対し削減を実現している必要があります。

部分点を獲得するには、水源について、前年(暦年)に総取水量の50~79%以上に相当する水源に対し削減を実現している必要があります。 これは、環境への影響を最大化させるような最も大きい水使用量を貴社が削減したことに得点を与えるためのものです。

以下に該当する場合は「いいえ」を選択してください。水源に関する回答として、前年(暦年)に取水量削減ができなかった、または削減量を示すことができない。

各水源の基準値を入力した場合、削減量はツールで自動的に算出されます。 基準値を入力していない場合、手動で削減量を下記に入力できます。

質問の意図

持続可能性とは継続的な改善活動の道程です。 目標設定、追跡、目標達成のためのアクションプランの実行などを含めた大規模な取り組みの結果、成功へと繋がります。 この質問により、工場は報告年次に、定量化できる節水の達成を示す機会が得られます。 前年の改善を追跡することで、工場は持続可能性に対してコミットした結果から改善が達成されたことを証明します。

これは、追跡、目標設定、行動計画作成といったハードワークを経て、影響を低減したことを示す良い機会です。 この質問は昨年中に貴社が達成したことを共有するために使用してください。

技術ガイダンス

削減量は、絶対値または正規化値で表すことができます。ただし、「地下水利用は報告年次に、単位あたり0.17 m3削減した」など、正規化した削減量を示すことが推奨されます。これは正規化された指標が、生産量削減などビジネスにおける変化ではなく実際の改善を示すためです。

FEM では、この質問に「はい」と回答するためには、前年比の水使用量削減を証明することが要求されます。 貴社での水使用に関する改善を評価する際は、以下を必ず行って下さい。

  • 水源データと集計された合計をレビューし、データおよび自動計算が正確であることを確認します。
  • 改善のために取られた行動を確認し、そのデータを過去の水使用データやベースラインと比較して改善量を決めることにより、測定可能な改善がもたらされたか、判断します。 注意:過去データが正確なものであることも検証する必要があります。
    • 例:ドレン回収システムを導入したことで、生産生地1メートルあたりで正規化された水消費量が前年比2%削減された。 これは、ドレンシステム内のサブメーターおよびサイトの全市水消費データを使用して測定されました。

Higg FEM での改善報告

するべきこと:

  • 削減量をレビューし、前述のポイントがすべて含まれていること、情報が正確であることを確認します。
  • 改善量を絶対値または正規化値で入力します。 これは、その水源に対する水使用量の前年比の変化です。 (例:前年の消費量 – 報告年次の消費量 = 水使用量の変化)必ず削減には負の値(正規化された削減量 0.05 m3/個には-0.05など)を入力してください。また、増加には正の値(正規化されたリサイクル水使用増加量 0.03 m3/個には0.03など)を入力してください。
  • 削減量に対しては適切な単位を選択します。 (適切な単位がなければ、「この改善を達成するための戦略について説明してください」のフィールドにその旨を記載してください。)
  • 前年からの水使用量の変化をパーセンテージ(%)で入力します。 必ず削減は負のパーセント値で入力してください(5%の削減には、「-5」)。また、使用料増加は正のパーセント値を入力してください(5%の増量には、「5」)
  • 「この改善を達成するための戦略について説明してください」のフィールドに、十分な詳細を記載します(正規化された市水消費量は、ドレン回収システムの導入により削減された、など)。

以下は禁じられています。

  • 正確性に欠ける改善結果(情報源が不明、または未検証)を報告すること
  • FEM 報告年次に達成できなかった改善案(1年を超える以前の削減を報告することはできません)を報告すること
  • 生産量や工場操業の削減に深く関連する改善結果を報告すること そのためデータの正規化が重要です。 
  • 不十分なデータに基づく改善結果を報告すること (例:全体的に削減は達成されたが、それは測定可能なまたは削減を達成するために定められたアクションではなかった。) これは、改善結果が大きくない場合(1~2%を下回る)には特に重要です。また、測定や追跡の誤りおよび/または操作上の変動性に起因することが考えられます。

 

注意:実際の改善%を得点にするものではありません。工場が最後の5-10%の水効率について取り組んでいる場合、非常に難しい課題だからです。   改善を始めたばかりの工場に間違って多くの得点を与え、改善において先導している工場に少ない得点を与えることを望むところではありません。    

検証方法

工場の改善を検証する際、検証者は以下を確認する必要があります

  • 報告されている削減量を検証するための裏付けとなる証拠はすべて、正確で水使用量削減のための測定可能な実践に基づいている。 
  • 削減を達成するために実施された変化や対策。

 

一貫していない点や誤りが認めれた場合は、可能な箇所は報告済みの情報を修正し、データ検証フィールドにその旨を詳細に記載します。

満点:  

  • 必要書類
    • 総水使用料の80%に相当する水源について、削減したことを示す水追跡報告と消費記録
    • 新しい設備の購入または効率改善の証拠。水使用量の削減は、生産量や従業員数の減少、または工程の変更だけで行われたのではないことを示すもの。


  • 面接時の質問
    • 水使用の管理を担当するチームとの話し合い。 チームは、削減を達成した方法を明確に説明し、示す必要があります(取られたアクション、変化の測定および算出方法など)。
    • 経営者層は積極的に継続的な改善を促進して、水の消費量削減目標を定期的に見直している。
    • 経営者層は、改善促進のためにいかに工場が実行したのかを説明できる。


  • 検査 – 物理的に見る検査対象
    • プロジェクト計画の構成要素に対する進捗(例、取水量削減のために設置した設備や工程の観察)
    • (該当する場合は)水の効率化により受け取ったリベート
    • 水の効率化を達成したことに対する賞や証明書

部分点

  • 上記で「はい」と回答した場合と同じ要件が求められますが、総使用水量のうち、水源を合わせて(あるいは単一の水源)で50~79%に相当する水源に適用されます。

水の使用 – レベル3

質問

水収支を分析する方法をアップロードしてください。

  • どのように水収支分析が実行されましたか?

以下に当てはまる場合は「はい」と回答ください。貴社工場が水収支を完璧に導入して、工場の取水に対する使用と排出を完全に追跡している。 完全な水収支は、下記情報を含む必要があります。

下記に該当する場合、「部分的にあてはまる」と回答ください。水収支を部分的に完了しいるだけだが、全ての要件を満たす実行計画がある。

下記を含めてください。

  • 工場に入ってくる水:量と水源
  • 製造工程中に使用した水の量
  • 工場内で再利用した水の量
  • 発生した廃水の水質
  • 工場内で発生した廃水
  • 自社処理の後に排出した水の量
  • 水収支を更新する頻度

質問の意図

工場全体の水収支を作成することで、使途不明の水を特定しやすくなり、効率的な改善機会に対しての見識ができます。 水の使用とコストの履歴と共に水収支があれば、工場は、全体的な水の使用量とコストの削減機会を理解しやすくなります。

技術ガイダンス

経時的なパフォーマンスを可視化する方法が水収支です。 水収支があれば、工場は水の使用量や、漏れや蒸発による損失の可能性を特定しやくなります。水収支には、特定のエリア、ツール、工程における廃水も含まれるためです。 コストと共に、水使用に関する履歴があれば、傾向がわかり、工場レベルから各工程ステップまで、経時的なパフォーマンスを可視化しやすくなります。 水収支を作成するときに制限要素となるものは、メーターまたは推定やデータログで、これらは継続的に記録し続ける必要があります。 電子データシステムを導入して、必要な時に自動的にデータを取得することができ、水監査を実行するための時間と労力を省略することができます。

基本的な水収支は、工場の施設境界を考慮に入れ、外部水源から(施設内の井戸を含め)工場へ入ってくる水、廃水や下水排出を通して工場から出ていく水を全て特定します。   理想的な環境では損失がないため、取水 – 排水=0となります。

しかし、実際の状況では、流入量と流出量の違いがゼロになることはほとんどありません。 差異の原因は、漏れ、蒸発(意図したものか意図していないものかに関わらず)、測定の間違い(1-10%)などです。 総使用水量の15%未満の差異は普通です。 しかし、総使用水量の25%以上の差異があれば、たいていの場合、もっと大きな問題を示唆しています。水源からの損失水は追加調査を行って特定しなければなりません。 追加調査によって、例えば漏れや、効率の悪い設備などが明らかになります。

さらに進んだ水収支では、注目する境界が、工場の敷地から、建物の境界、製造工程境界、そして特定の機器や設備境界へと動いていきます。 機器に入っていくものと出ていくものは何ですか? この高度な水収支を制限するものは、使用可能なメーターや測定ポイントに限られますが、工場内の使用水量に関してはより良い測定ができます。その結果、使用に関する管理が強化できるようになります。

  • 工場全体でいかに水が使用されているかを特定して分析し、取水量に対する使用量(どの工程の使用量か、など)と排水量(ETPへの排水など)の追跡性を評価、把握していかなければなりません。 よい方法があれば水収支を作成できるでしょう。 水収支は、ニーズにより基本的なものと、高度なものがあります。
  • 工場の水収支を作成することで、使途不明の水を特定しやすくなり、効率的な改善機会の領域に対しての見識ができます。 水の使用とコストの履歴と共に水収支があれば、工場は、全体的な水の使用量と節約機会を理解しやすくなります。
  • 基礎的な水収支は、工場に出入りする水の流れを説明するために使用される等式です。 理想的な環境では、計測された総取水指数と総排水指数は等しくなります(取水量=排水量)。 両者が異なる場合、水の損失や消費が考えられます。取水量ー排水量=損失量 蒸発のような損失は、正常な製造オペレーションの一部です。

以下は、貴社工場の取水量に対する排水量を示す基本的な水収支の例です。

 

出典:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2212371716300221

  • 差異が15%より多きい場合は、メーターのエラーや計算間違いをはるかに超えた差であり、漏れやその他の問題が存在する可能性があります。 (一般的に、計算した水の損失が15%であれば、水収支は良好といえます。15%より大きい場合は、水収支が悪く、正確性を確認するためにやり直しが必要になる場合があります。 水損失収支が0かマイナスの場合は通常、エラーです。
  • 各エリア、建物、工程や設備で水の取水と排水にメーターがある場所に高度な水収支があれば、さらに詳細な水収支を実施することができます。 この結果、特定のエリアや建物等での水の使い過ぎが分かります。 さらに的を絞った水効率の改善のために
  • 水収支を頻繁に見直せば見直すほど、工場の水の使用と変動についてさらに理解が深まります。 ビジネスにおいては、企業努力のレベルとそこから得られる潜在的な価値とのバランスを取る必要があります。 毎月の水収支を実践することが推奨されます。これにより、水の使用に関する季節的な傾向と変動について理解ができます。またその傾向や変動は、一般的に水使用の請求頻度と重なります。

用語集:

  • 水収支:基礎的な水収支は、工場に出入りする水の流れを説明するために使用される等式です。 総取水検針指数は、排水検針指数と水の損失の総量と一致します。

下記ウェブサイトよりサンプルを参照ください。http://waterplanner.gemi.org/calc-waterbalance.asp

詳細は以下で参照してください。:

検証方法

あてはまる

  • 必要書類
  • 工場が水収支を全面的に導入しているか、別の分析方法を導入して取水量に対する使用量と排水量の追跡性を完全に把握していることを透明性をもって示している。
  • この報告には下記の情報を含めてください。
    • 工場に入ってくる水:量と水源
    • 製造工程中に使用した水の量
    • 工場内で再利用した水の量
    • 発生した廃水の水質
    • 自社処理の後に排出した水の量
    • 水収支を更新する頻度


  • 面接時の質問
    • 水収支を見直す頻度は?
    • 水収支から分かったことは何ですか?
    • 損失はありましたか? 規模は? どのように説明しましたか?


  • 検査 – 物理的に見る検査対象
    • 水道管の設計図、ダイアグラム、フローチャートを見直し、工場が充分水の使用(取水から排水まで)を把握しているかチェックします。
    • サブ・メーターや、使用水量の正式な記録